共同養育と一夫多妻制が思わぬところでリンクした
NHKスペシャル『ママたちが非常事態』第2弾は、1日目が思春期、2日目が妻が夫にキレるわけ、でした。
どちらも脳の構造から説明できる行動であり、太古の暮らしが起因していました。
ほとんどの動物は思春期がなく大人へ移行。
思春期のない人類の祖先の種は滅び、思春期があったホモサピエンスが結果的に繁栄。
それは思春期の『チャレンジ精神、リスクある行動に躊躇なく進める』という特徴が、未開の地に進んでいく原動力となりました。
思春期は現代は25歳まで続くといわれており、始まりは年々早まっていて12歳頃とも。
感情そのものが敏感であり、箸が転げても可笑しい年代であると同時に、怒りや悲しみにも過敏に反応。人の表情を瞬時に感じとり、怒ってる?とすぐ質問することも。
理性をきかせる部位は、脳の中で一番最後に発達し、25歳で大人の脳になります。
『これを言ったら傷つくかな』と理性を働かせる前に発言してしまったり、ラインで文章を打って送信してしまったりするのはこのためです。
現代のネットいじめは理性がきかないことで加速しているとみています。
理性をきかせる脳の部位の発達が遅いことで、昔の放牧をしていた部族は救われているといいます。若い思春期の男たちが未開の地に赴くときにリスクを恐れず、理性を働かせる前に行動し、住む場所を変えていくことができたのです。
現代の思春期はまだまだ子どもとして扱われていますが、この世代に頼ることで新たな世界が開かれるかもしれないと感じました。
思春期は記憶力が爆発的に延びる時期で、伝統を覚えるのに適しているそうです。
2日目の妻が夫にキレるわけ。よく男性脳・女性脳といわれる脳の違いによるものからきていて、女性は昔から子育てや他の人と共同して過ごしてきたので、他人に共感することを得意としています。
右脳と左脳を交互に情報伝達しながら生活しています。
男性はというと、狩りで獲物を捕まえるのが仕事で、感情で行動していると狩りに出られなくなってしまうため、右脳と左脳はほとんど情報伝達していません。
右脳の中だけで情報伝達し、左脳の中だけで情報伝達しています。
狩りに行くのが怖い、という感情があっても、家族のために獲物を捕らえなければという事実があるので、感情とは切り離しているようです。共感はあまり得意としない?
また、人類の歴史では一夫一妻制はごく浅く、性感染症などの蔓延で相手を決めるようになったといわれています。
一夫多妻制のほうが効率よく子孫を繁栄できたのでしょう。
妊娠期間は十月十日。短くはないですもんね。
多くの女性を妻にしたいと思える、また多くの女性から好かれる男性は出世もする。エネルギーに満ちていて、その遺伝子を多く残した方がより優秀な子孫になる?
番組では触れていなかったのですが、一夫多妻制の生活を想像すると、そこは共同養育の場だったのではないかと考えついたのです。
今でこそ夫をとりあう女性たちのような醜い関係性が思いつきますが、昔はひとつ屋根の下で暮らす女性同士、協力して子育てしていたのではないか?と。
ママが3人も集まれば、子どもを見ている人、食事を用意する人、夫の相手をする人、と分担できます。
しかも子どもたちが複数集まれば、その中で社会ができて大人の介入はいらなくなります。
森のようちえんもそのような大人の介入がいらない場を目指しています。
こう考えると、現代の生活はガラッと変わりすぎ、女性に求める仕事量が増えすぎていると感じます。
ただ、イクメンや主夫という言葉が出てきたように、妻よりも家事を得意とする男性が現れているのも現代的と言えるかもしれません。
番組では、バリバリ働いている母親と、家事をよくしている父親の男性ホルモンの量を測定していました。結果は…
母親は、父親の4倍以上も男性ホルモンの量が多いと判明しました。
女性の社会進出が、男性と女性の逆転現象を引き起こしているようです。
女性ホルモンの量が多いと愛情深いといえるようで、医薬品の女性ホルモンを夫婦の鼻に点鼻薬で噴射すると、さっきまでいがみ合っていたのが嘘のように仲良くなった実験がありました。
薬に頼らずとも、ある方法で女性ホルモンの値が上昇することがわかりました。
それは…
夫婦が向かい合って座り、両手を繋ぎながら会話をする
です。実際に夫に呆れ気味だった妻が、これからはうまくやっていけそうだと涙するほど仲良くなれていました。
また、無駄遣いで借金を繰り返す夫に愛想をつかしていた妻には、夫のサプライズの花束と手紙で女性ホルモンの値が上昇。そしてそれ以上に、夫の女性ホルモンの値が急上昇していました。
普段は気恥ずかしくて言えない感謝の言葉も、手紙を朗読して耳から聞くうちに愛情がわき出てきたのかもしれません。
まとまりませんが備忘録として…